日の出とともに太平洋側を出発し、日の入り前までに石川県の千里浜なぎさドライブウェイにあるゴールゲートへたどりつく。

そんなバイクのイベント SSTR (Sunrise Sunset Touring Rally) が今年も開催されたので、参加してきた。二回目の参加となる。

以下、つらつらと走行記録を残す。たいへん楽しく、タフな旅となった。

まとめ

ざっくりとわかる一枚絵をどうぞ。

SSTR2024簡易まとめ絵

文字で詳細を読みたい方は、以下もどうぞ。つらつらというより、だらだらですが。

準備

今回のマイテーマは「Vストで過積載」。愛車にキャンプ用具をたくさん積んで、長距離を走り切るのだ!

キャンプツーリングには憧れていたが、ちゃんとしたものは一度しかやったことがない(しかも自宅から近い)なので、一度ガッツリと遠出してみたかったのだ。これぞバイク旅! キャンプはロマン!

また、新しい愛車 Vストローム250 でどこまで自分がやれるのか、も試してみたかった。というか、ある程度縛りを入れないと、Vストローム250でのSSTRは快適すぎて手応えがないおそれもあった。昨年のスーパーカブ110プロでの挑戦とちがい、高速にも乗れるしね。

とはいえ、メインの走行ルートとなるであろう中京エリアの土地勘が私にはないので、出走ポイントは無難に静岡県・御前崎を選択した。ここはSSTR参加者の利用が多いことで有名である。

千里浜からの帰りは、富山〜糸魚川経由で長野を縦断することにした。道の駅スタンプを集めているので、関東の難所のひとつ・道の駅小谷に立ち寄りたかったのだ。欲を出して長野でもキャンプ場を予約したが、これは無謀な試みだったとのちに気づくことになる…

出発までに荷造りやバイクのお手入れを細々と。長年使っていた空気入れがぶっ壊れたのでカエディアの空気入れを購入した。音がものすごいが使い勝手はとてもいい。

本番

10/11 自宅から御前崎へ

朝5:30に神奈川の自宅を出発。かなり荷物をガン積みしたので走行が心配だったが、走り出してしまえばなんとかなりそう。慣性は大きくなっているのでゆとりを持った操作を心がける。

東名高速を富士川SAで降りて、道の駅・富士川楽座でスタンプを押す。バイクをどこで停めていいのか謎すぎる道の駅。たぶん隙間の何処か。

清水PAで休憩。リニューアルで食堂がのきなみ閉店中なので、キッチンカーでフレンチトーストを食べた。店主になぜか「まさかバイクで来たんですか?」と言われる。どういう意味のまさかだろうか… クシタニのお店でネックガードを購入。すでに持っている初代が使い勝手がよく、洗替がほしかった。

相良牧之原ICで降りて、道の駅・掛川でスタンプをゲットし、ひたすら南下。14:00ぐらいに御前崎に到着。

灯台をみたり、出走ポイントを下見したりしてから、道の駅・風のマルシェ御前崎までスタンプゲットしに行こう…とバイクを見たら、なんと大きなカマキリがコックピット付近に鎮座していた。うーむ、どうしたものか。すぐ飛んで逃げてくれるだろうと思いエンジンをかけ、バイクを走らせたが、カマキリ氏は動く気配がない。もしかして、飛べないタイプか…?

なにしろコックピットにいたので走っている間ずっとカマキリ氏と対面していた。うーむ、仮面ライダーに似ている…そうか、お前もライダーなんだな!風になりたかったんだな…!! かどうかはともかく、飛べなそうなので道の駅についたら逃がしてあげた。10分あまりのタンデム走行だった。

16:20 ごろに今夜の宿へ。ガレージを貸してもらえた。

10/12 御前崎から千里浜のゴールへ

朝4:00起床、ガレージからバイクを出す。段差があってちょっと怖いので荷物を全部おろしてからやっていたら、30分ぐらいかかった。宿の方に見送られつつ、出走ポイント・御前崎へ向かう。

静岡県最南端の看板があるすぐそばに駐車場があり、そこにバイクがたくさん停まっている。ざっくり50台ぐらいはいただろうか? すごいなあと圧倒されていると、地元の方に呼び止められ、アンケートに答えたらステッカーをいただいた。SSTRは観光誘致としての期待もおおきいみたい。

5:57 日の出。いっせいに周りのバイクたちが出走しはじめる。私も地元の方に見送られつつ走り出す。いくぜ、千里浜!

SSTR2024日の出

浜名湖SAで腹ごしらえ。あおさそばとうなぎ丼のセットがめちゃくちゃ美味しかった。景色もよく、ここは人気があるのもうなづける。

豊田JCTあたりでまちがって下道に降りたりしつつも、SA/PAでSSTRゴールに必要なポイントを稼ぎながらどんどん北上。岐阜あたりの高速道路は山間の高所を走り、まるで空を飛んでいるようだった。

松ノ木峠PAで休憩。日本最高所のPAだそう。空が高くて美しい。晴れていて気持ちがいい。白川郷あたりで少し混雑、三連休ゆえ観光客が多いのかも。

富山に入り、道の駅メルヘンおやべでSSTR指定道の駅ポイントをゲット。地元客とライダーでごったがえしていた。SSTR期間、富山の道の駅はどこも混んでいる。家族に頼まれていた「白えびチーズぱり」を探すも玉砕。美味しいらしい、が販路が限られていそう。

ここまでくればゴールも同然、はやる気持ちを抑えつつ千里浜をめざす。近づくにつれてどんどんバイクが増えてくる。SSTRのひともいれば、そうでないひともいる。

海岸を走る有料道路、のと里山海道 に入るといっきに左に海岸線がひろがり、ムードは最高潮に! うおおおおおおお! 俺は!走るぜ!あの栄光のゴールへ! …そして渋滞にはまる。ツーリングではよくあることである。車の流れは個人には制御できない。幸い数分で流れは復活し、あとは一気にゴールを目指した。地元のみなさんのおかえり!コールがうれしい。ただいま、千里浜!

SSTR2024ゴール

ゴール登録受付近くで能登のおみやげをいくつか買った。この場が用意されるまでにどれだけの苦難や葛藤があっただろう、と思うと畏怖と感謝の念しかない。今年も楽しいラリーをありがとうございました。

夜は某キャンプ場で行われた Mastodon バイク鯖の合宿に参加。焚き火を囲んで楽しく過ごすも、就寝時はシュラフなどの準備不足で一晩中寒かった。キャンプは難しいなあ。

10/13 千里浜から健康ランドへ

5:30 ごろ起床。お湯を沸かしてコーヒーを飲む。朝も話がはずみ、出発したのは 8:40 ごろとなった。

今日は能登を観光できたらいいなあと思っていたのだが、予約していたキャンプ場へ行くには悠長にできないと判明。氷見で昆布締め定食を食べたり、スーパーで買い物したりしたあとは北陸道をまっすぐ走り、目的地を目指した。

能登の風景

富山から新潟へ。糸魚川を通り、姫川のそばを走って南下する。ここは人生最初のロングツーリング、スーパーカブ110プロで富山を目指したときに通った道だ。洞門やトンネルの多いこの道は、リターンしたての身にはだいぶヘビーだった。そのころを懐かしく思い出す、まだ三年も経っていないが。

15:30 ごろ、関東道の駅スタンプの難所・小谷に到着。三連休中の観光客で混雑するなか、無事にスタンプは押せたものの、すでにキャンプ場のチェックイン時刻に間に合う時間は過ぎていた。キャンプ場へキャンセルの連絡を入れ、白馬あたりの渋滞に巻き込まれながら、今夜の宿へむかう。SSTRゴールそばでマッサージ機をおいてアピールしていた、信州健康ランドに向かった。

19:00 ごろ、文字通りへろへろになりつつ到着。バイクがたくさん。屋根のある駐車場、とてもありがたい。四輪車と異なり、バイクは雨にとても弱いから屋根は助かる。靴入れにはヘルメットとブーツ専用ロッカーまである。ありがたい。ここがバイク乗りに愛される理由がわかる気がした。

お風呂に入って、仮眠室で速攻で眠りに落ちる。本当は食事も取りたかったが混雑していたので、早めに寝る場所を確保した。アロマがたかれていて寝心地が良い。

10/14

4:30 起床。9時間ぐらい寝ていた。よほど疲れていたのだろう、一度も目が覚めなかった。おかげで頭はスッキリ。あとは帰るだけだ。5:30 ごろ出発し、諏訪湖SAで食事して、談合坂SAでお土産を買って、神奈川の家に戻った。重い荷物を載せて良く走ってくれました。ありがとうVストちゃん。

談合坂SA

ふりかえり

よかった

  • SSTRぶじゴールできた
  • ぶじに帰ってこられた
  • 過積載Vストでぶじ道中を走れた
  • お天気に恵まれ、ツーリング楽しめた
  • キャンプ場たのしかった
  • 信州健康ランドよかった

にゃーんだった

  • 3日めのキャンプに行けなかった
  • 過積載で何日も走ったら股関節が痛くなった
  • 道の駅で立ちゴケした(親切なZ900RS乗りさんが起こすのを手伝ってくれた)
  • 高速メインだったので下道も走りたくなった

来年はもうすこし身軽な装備で、ゆっくり宿に泊まって、下道メインでの挑戦をやってみたい。